「ピンチはチャンス」ナオミ・クライン 巨大ハリケーン「サンディ」後の戦略を語る
2012/11/15(Thu)
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7分
2012年秋、ニューヨークを直撃したスーパーストーム・サンディ。環境と民主主義に関する新しい著書、そしてその映像版となるドキュメンタリー・フィルムを執筆・制作中のナオミ・クラインが、講演会後の質疑応答で「サンディ後」を語った貴重な映像です。世界的なベストセラーとなった主著『ショック・ドクトリン』で、経済や環境の危機に乗じて右派が展開する、民主主義を切り崩し権力を独占する戦略をみごとに分析してみせたクラインですが、実は危機の利用はもともと左派のお家芸だったと語ります。
大恐慌時の危機に対応するために取られたニューディール政策で左派が得た民主的な権利を逆手に取り、右派が推進したのが、新自由主義。サンディは、その流れに風穴を開けるチャンスになりうるのだ、とクラインは語ります。「惨事便乗型資本主義」の向こうを張って、今度は民衆の側がショック療法を使うとき。オキュパイ運動を担った人々が被災の直後から展開してきた地域住民参加型の支援活動が、新しい形の市民運動の可能性を刺激します。(大竹秀子)
*ナオミ・クライン(Naomi Klein): カナダのジャーナリストで反グローバリゼーション運動の旗手。活動家。『ショックドクトリン――惨事便乗型資本主義の正体を暴く』の著者。
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字幕翻訳:齋藤雅子/校正:大竹秀子/Web作成:桜井まり子 全体監修:中野真紀子