イスラエルは白リン弾の違法使用に加え新兵器も実験?

2009/1/14(Wed)
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イスラエルが禁止されている兵器や実験兵器を使用した疑いが強まっています。国際人権監視団体ヒューマンライツウォッチ (HRW)は、イスラエル軍がガザ攻撃に白リンを使ったことを違法な使用であると非難しています。白リン弾は煙幕によって味方を守るためや、照明のために使用することは認められていますが、人間に対する兵器として使用することは違法です。白リン弾は着弾した後も燃え続け、火災を起こします。皮膚に付着するとひどいやけどを起こし、白リンがなくなるまで燃え続けます。さらに、煙を吸い込むと呼吸器系や肺が焼かれてしまいます。ガザ北部の国境からは、連日白リン弾が人口の密集した難民キャンプやガザ市周辺に次々と打ち込まれるのが目撃されています。このような人口密集地に白リン弾を使用することは、民間人の被害を当然想定しているはずだとヒューマンライツウォッチのガラスコ氏は語ります。

それに加えて、イスラエルが実験段階の兵器を使用している疑いが浮上しています。最近までガザの病院で緊急医療に携わったノルウェー人医師の証言では、米空軍が開発したDIMEと呼ばれる高密度不活性爆弾が与える被害に酷似した症状を示す重症患者たちが多数みられたそうです。負傷者たちは手足をずたずたに引き裂かれ、ひどいやけどを負っていて、従来の兵器によるものとは考えられない症状を示していると言います。この武器は2006年にイスラエルがレバノンを爆撃した際にもレバノンやガザで使用され、EU委員会で調査を要求する声があがったにもかかわらず、そのままになっていました。

白リン弾にせよ、新兵器にせよ、イスラエルが国際メディアや人権監視団体のガザ立ち入りを阻んでいるうちは、正確な事実はわかりません。いずれは明らかにされるでしょうが、現時点ではやや噂が先行している嫌いもあります。白リン弾の使用が違法性を問われるのはどのような場合なのか、DIMEと呼ばれる新兵器とはどんなものか、そして現時点でわかっている事実はなになのかを確認しましょう。

もうひとつ忘れてならないのは、ギルバート医師が指摘するように、イスラエルが使っている最強の破壊兵器は、違法兵器でも新兵器でもなく、150万人の住むガザの徹底した封鎖だということです。砲撃下のガザの病院に志願して勤務した同医師は、「まさにダンテの地獄編のシーンだ」とこの状況を描写しています。(中野)

マーク・ガラスコ(Marc Garlasco)人権監視団体ヒューマンライツウォッチの上級軍事アナリスト。ガザ北部国境地帯から出演

マッズ・ギルバート(Dr. Mads Gilbert) イスラエルの攻撃が続く中、ガザ市のアル=シーファ病院にボランティアで赴いたノルウェー人医師

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字幕翻訳:永井愛弓/校正・全体監修:中野真紀子