ランダル・ロビンソン 「記憶」の力を語る
2012/1/13(Fri)
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10分
言葉 文化 ルーツなど、集合的な記憶は集団に力を与え、だからこそ、それを都合良く作り変えようとする動きは後を絶ちません。米国の黒人の場合は、奴隷にされ記憶をごっそり奪われるという体験を余儀なくされました。市民団体 「トランスアフリカ」の創設者、ランダル・ロビンソンの新作小説『マケダ』は、公民権運動の黎明期を舞台に人種隔離下のバージニア州 リッチモンドで盲目の祖母を通してアフリカにルーツを発見し大人になっていく一人の青年の姿を追い、記憶の力を描きます。
「時折、奴隷制度について考える時、私達はその 経済的な結果に注目します。けれども、奴隷制度がもたらした心理的・社会的な影響については推測してこなかった。それをするためには、支配者が課した意図的で規則的なプログラムが引き起こした記憶の喪失を考慮に入れることが必要です」とロビンソンは語っています。(大竹秀子)
*ランダル・ロビンソン(Randall Robinson) 「トランスアフリカ・フォーラム(TransAfrica Forum)」の創設者で元代表。カリブや中南米も含めたアフリカ系ディアスポラ社会ならびに米国のアフリカ政策の研究に力をいれ、南アフリカのアパルトヘイトに 対する反対運動の急先鋒として活躍した。主書にハイチの歴史を扱った An Unbroken Agony: Haiti, From Revolution to the Kidnapping of a President (『終わらない試練 ハイチ 革命から大統領拉致まで』)他。最近著は、小説 Makeda(『マケダ』)。
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字幕翻訳:川上奈緒子/校正:大竹秀子/全体監修: 中野真紀子