世界水フォーラムは「水の民営化」を促進する企業見本市

2009/3/23(Mon)
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3月22日は「世界水の日」。トルコのイスタンブールでは一週間にわたる「世界水フォーラム」が閉幕しました。現在、世界の10億人以上の人々がきれいな水を使えず、25億人が公衆衛生に必要な水も不足する環境にあります。そうした中で開催された「世界水フォーラム」では、世界的な水資源政策についての議論が交わされました。

しかし農村地帯の貧困層を代表する人々や環境活動家、労働組合代表などは、公式のフォーラムに背を向けて、これに対向する「市民水フォーラム」(People’s Water Forum)に結集しました。

この人たちは、「世界水フォーラム」は水資源にからむ企業利益の代表者の集まりであり、人権としての水へのアクセスの保障という本質的な問題には取り組まず、水の民営化という破綻したイデオロギーにしがみつく有害無益のイベントになったと非難します。(中野)

*モード・バーロウ(Maude Barlow)
 カナダ最大のアドボカシー団体「カナダ人評議会」の議長で、「ブループラネット・プロジェクト」の創設者。『BLUE GOLD―独占される水資源』や『"水"戦争の世紀』など著書多数。もうひとつのノーベル賞として知られるスウェーデンのライト・ライブリフッド賞(Right Livelihood Award)も受賞している。

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字幕翻訳:藤賀晃/字幕・校正:永井愛弓
全体監修:中野真紀子・付天斉