アメリカの急進派 I.F.ストーンの生涯とその時代-後半

2009/6/18(Thu)
Video No.: 
2
21分

稀代の調査報道ジャーナリスト、I.F.ストーンを語る2009年の長編インタビューの後半です。ここではストーンの思想がより深く掘り下げられています。ベトナム戦争における政府の嘘の暴露、公民権運動との関わり、イスラエル・パレスチナ問題との関わりと、いずれも問題に対する彼の立ち位置や報道に対する考え方がよく示される例です。また、最後には本人が語る古い映像をパシフィカ・ラジオのアーカイブから紹介しています。告発ジャーナリズムが米国における「言論の自由」の伝統に根ざしていること、巨大な軍事機構を持つことが米国が戦争をする原因になっているという指摘など、現在にも通用する鋭い指摘をしています。

「急進派ジャーナリスト」を自称したI.F.ストーンは、20世紀アメリカを代表する調査報道記者でした。学究的とさえいえる緻密で徹底した調査によって政治スキャンダルを暴く独特のスタイルで、報道界に大きな影響を与えました。60年にわたる活動を通じて取り上げた問題は、ニューディール政策、第二次世界大戦、マッカーシズム、冷戦世界大戦、イスラエル=パレスチナ問題、公民権運動、ベトナム戦争と多岐にわたります。ストーンの伝記を上梓した作家 D.D.ガッテンプランに、この稀代のジャーナリストの生涯について訊きます。(中野真紀子)

「すべての政府は嘘をつく」公開に併せて再編集しました。対訳ニュースレターでも取り上げています。

*D.D.ガッテンプラン (D.D. Guttenplan) ネイション誌のロンドン特派員で、I.F.ストーンの伝記American Radical: The Life and Times of I.F.Stone(『アメリカの急進派 I.F.ストーンの生涯とその時代』)を書いた。

・I.F.ストーン(I.F.Stone)の録画
・1988年3月22日放送マクニール=レーラー・ショーの、ロバート・マクニールによるインタビュー。ストーンはこの時、古代ギリシャの史実を扱った『ソクラテスの審判』を出版した直後だった。
・1965年カリフォルニア大学バークレー校でのベトナム戦争をめぐるティーチインの録音(パシフィカ・ラジオのアーカイブより)

Credits: 

字幕翻訳:中村達人/校正:桜井まり子/全体監修:中野真紀子