NSA内部告発報道にジョージ・ポーク賞 1: 受賞スピーチ「真の受賞者はスノーデン」
4月11日、米国のジョージ・ポーク・ジャーナリズム賞の授賞式がニューヨークで行われ、国家安全保障局(NSA)の監視に関する一連の報道で中心的な役割を果たしてきたグレン・グリーンウォルドとローラ・ポイトラスが揃って出席しました。内部告発者エドワード・スノーデンにインタビューするため香港に飛んで以来、初めての帰国です。二人の受賞スピーチをお聞きください。
彼らと共に今回香港に行きスノーデンに取材したガーディアン紙のユエン・マカースキル記者も今回一緒に受賞しています。またガーディアン紙のチームとは別にスノーデンを情報源とする記事を報道したワシントンポスト紙のバートン・ゲルマンも同時に受賞しました。
二人のスピーチにあるように、世界最強の米国情報機関を相手に果敢な報道を繰り広げたガーディアン紙ですが、実のところ彼らがチームを組んで報道するのは今回がはじめてのことでした。この危険な報道がどのような結果になるのかわからない時期に、互いの気心も知れず、どこまで信頼できるのかもわからないまま、祈るような気持ちであえて危険に挑んだことは、思えばすごいことです。彼らをそこまで駆り立てたものは、エドワード・スノーデンの捨て身の勇気です。そのような勇気は伝染するものだと、彼らは語っています。(中野真紀子)
この後で行われた記者会見では、同業者から、さらに突っ込んだ質問がなされています。→ パート2はこちら
*グレン・グリーンウォルド(Glenn Greenwald)エドワード・スノーデンの内部告発を最初に公開したジャーナリスト。当時はガーディアン紙のコラムニストであり、同紙のバックアップを受けてNSAの秘密盗聴に関する新事実を次々と発表し、世界を震撼させた。その後、ガーディアン紙から独立して、ローラ・ポイトレス、ジェレミー・スケイヒルとともに独自の報道メディアThe Intercept を立ち上げた。インターセプトはeBay創始者ピエール・オミダイヤの出資。
*ローラ・ポイトラス(Laura Poitras)ドキュメンタリー映画作家。イラク戦争関連の記録映画を撮っていらい米当局のブラックリストに載り、出入国のたびに執拗な捜査や尋問を受けてきた。エドワード・スノーデンの内部告発の報道で決定的に重要な役割を果たした。グリーンウォルドとともに、新メディアインターセプトを創始した。
字幕翻訳:齋藤雅子/ 校正:中野真紀子