監視資本主義の時代 「グーグルで検索のつもりが、グーグルに検索されていた」

2019/3/1(Fri)
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2019学生字幕翻訳コンテスト  課題6:「個人情報ビジネス」の受賞作です FacebookやGoogleのような巨大IT企業が収集した個人情報を、売り買いする闇市場が問題となっています。ハーバード大学名誉教授のショシャナ・ズボフ氏は、この状況を「監視資本主義」という概念で説明します。かつてマルクスが説いたように、労働力に寄生する吸血鬼のごとく、その基本的な原理は資本主義に基づく経済論理と同じです。しかし、監視資本主義では、その吸血鬼は、私達の個人情報と日々の活動に寄生するのです

かつて、無償だった自然の土地が市場に取り込まれると、それは不動産として売買されます。同様に、私達の個人情報は、無償かつ自由に取り込まれる原材料ですが、そこから、高度な計算技術を使って情報処理されると、私達の行動を予測するデータへと変換され、それを必要とする企業に販売されます。そして、その行動データは、私達が気づかないところで私達の行動を修正し、意図された経済的行動へと誘導される危険をはらんでいます。

今発覚している情報漏えいなどに関する問題は、これから起きる大きな問題の序章に過ぎません。現実に正面から立ち向かい、このような状況を規制していく時期がきたようです。(山田優)

*ショシャナ・ズボフ(Shoshana Zuboff):ハーバード・ビジネススクール名誉教授、話題の新刊<cite>The Age of Surveillance Capitalism: The Fight for a Human Future at the New Frontier of Power</cite>(『監視資本主義の時代~~権力の新たなフロンティアにおける人類の未来のための闘い』)の著者

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字幕翻訳:槙原杏菜、細川真菜、酒井鈴華 関西大学外国語学部3年(2019年コンテスト当時)   監修:中野真紀子